ボッシーのゲイＳМ体験談

ある時期10年ほど、ゲイサウナにはまり込んでいたことがあった。HIVに対する警戒心が強くなりだしたころだったので生中出し厳禁のころだったので、1部を除いてはバコバコあちらでもこちらでもしているということが無くなって比較的普通の人をサウナで見つけることができた。
サウナはそれなりに面白いのだけどSとしてはどうしてもSMプレイに興味があるので物足りなさを感じていた。SMの先輩というか、複数プレイによく誘ってくれるYさんたちと食事をすることがあって、その席で
「サウナにもよく行くのですけれど、やはりSMの方が面白くって・・・」
と言うと、Yさんが
「ハハハ、やっぱりね。でもサウナでMを見つけるのは簡単だよ」
「えっ?どうするのですか?教えた下さいよ(笑)」
「これね。秘伝だよ。でも、教えるかな」
「お願いしますよ。ぜひ!」
と言うとYさんは少し勿体をつけた態度で
「暗い大部屋へ行くまでは普通と同じ、ま、件のごとしかな」
「うん、それで?」
「ハハハ、急がせない!聞きたい?」
「ええ」
「寝ころんでキッスをする時に…必ず上になって相手の腕を両腕とも、自分の背中に入れさせるよう折ってなるべく上の方へ上げさせて肩から横に腕がはみ出さないようしっかり抑え込んで、まるで後ろ手に縛られているように錯覚させるくらいにして、こちらの片方の手で髪の毛を握って、もう一方の手で乳首をかるく擦って、口を乳の方へ少しずつずらしていくんだ。Mでない子はすぐに手を元のように出してくるし、そのままで興奮しているようなら大体Mかな。」
「ふーん?そうなんだ?どれくらいの確率?」
「大体、ゲイの80%はSMに興味があるんだよ。
それにSMに興味のあるゲイのうち90%はMと言っていいから、0.8x0.9で70%強の的中率かな。」
「俺の場合はね・・・」とWさんが口を挟んだ。
「手を下に入れるのでなく、背伸びして吊るように手を上に揃えて上げさせるんだ。これもかなり刺激するように思うな。それと足を揃えて伸ばさせるのも大事かな。拘束感が増えるようだから。
それと隣に聞こえないように声を出さないように我慢しているのも」
「へーぇ?そんなことがあるんだね?一度俺もやってみるか。」
と言う経緯があって実際に試してみると的中率が強かった。勿論、失敗のケースも何度かあるが、他の方法例えば飲み屋やWEBに比べてさんざん経験をした熟練のM(?)ではなく、すごく興味はあるけれど、少し怖くってまだ経験がないというようなのを容易に開拓(?)できるのがいい点だった。SMの関係で経験上長続きのする条件の一つはMがSを強く好きだということだと確信できること思う。いろいろのSMがあるので簡単に一括りして議論を進めるのは危険だけれど、奴隷調教ではそう言えることが多いと思う。好きだから普通ならできないことを敢えて限界を超えて挑戦しているうちに新しい境地が開けてくるといっても良いのかもしれない。Sが最初から強引に「粉をかける」って感じよりも、サウナだと館内のどこへ行ってもついてきて気がつけばいるというようなとき、例えば2階でいたのに3階でも少し離れたところに立っていて、視線がよく合うというようなケースは「秘伝」を試すと成功率がすごく高かった。

昔、SMクラブのマスターに聞いた話だけど、SとMとをマッチングして休日とか人の来ない日を合意の上で決めても、Sは必ずって言ってもいいほど約束を守るけれどMの気が変わって連絡なしに来なくって理由もわからないことが多くて困ると言っていた。SMのなかでも奴隷趣味はMの側の心理的な自己葛藤が強いと思われる。初対面でSMプレイをしたし出して、Mが「僕はやっぱりMではないと思う」と言いだして、白けてしまう経験はどのSでもしていると思う。Mはそれだけ自分自身との闘いをしているといってもいい。
そこがまた奴隷調教の面白さにも繋がっているから何とも複雑で奇妙な心理劇と言えるかもしれない